店舗物件は、「スケルトン渡し」、「スケルトン返し」が基本になります。そのため、解約をする場合は、本来は内装を解体して「原状回復」した状態で退去しなければなりません。
解体費用については、店舗の面積、階数、造作物の内容などにより異なりますが、一般的には坪単価50,000円~70,000円ぐらいと言われておりますが、物件によっては坪単価100,000円を超える場合もあるようです。
30坪のお店の解体をするなら、安くても150万円 はすると考えられます。
もし、30坪の物件で造作譲渡の話が進んだ場合はどうなるか?
新テナントが、内装を100万円で買い取ってくれたら...
解体費 -150万円 → 0円 (150万円の得)
内装譲渡収入 → +100万円 (100万円の得)
ということは、250万円も得したことになります。
たとえ造作譲渡ができなかったとしても、「居抜き」で新テナントへ引き渡せれば、解体費の150万円だけでも、十分に得をしたと言えると思います。
賃貸借契約の基本として、「解約をする場合は3ヶ月前(6ヶ月前)に解約を申し出る」というのが一般的です。
そのため、「売上が良くないので、早く閉めたい」という方にとって、この3ヶ月(6ヶ月)分の賃料負担というのは、とても大きなものになります。
しかし、「造作譲渡」、「居抜き」などの場合、新テナントに内装をそのまま引き渡せますので、解約予告期間や解体工事中の賃料も得をすることになります。
実際、ビルオーナーさんからも「賃料が途切れることなく支払われれば、かまいませんよ」と、新テナントとの引継ぎを快く了承していただけることがほとんどです。
ここまで説明してきましたように、お店を閉める側にとって、「造作譲渡」や「居抜き」について、お店を閉める側にとってはメリットばかりで、デメリットはほとんどないと言えます。